前回に引き続きブライアン・ジョーンズの『JOUJOUKA』です。今回は英米日以外の国を取り上げてみようと思います。厳密にいうと英米日以外でジャケット、レコードが独自に作られた国はイタリアとオーストラリアだけでヨーロッパ各国ではUK盤にシールを貼って発売されています。最初はイタリア盤です。イタリアではジャケット、レコード共に自国で作っています。タイトルはBrian Jones plays with~と間違っています。紙質はUK盤と似た感じです。
タイトルの部分です。
裏ジャケです。イラストの上にクレジットがあります。
裏ジャケのクレジットの部分です。DISTRIBUZIONE DISCHI RICORDI S.P.A. VIA BERCHET 2 - MILANOとあります。これは現地の配給元のDISCHI RICORDIのクレジットです。その下に小さくMADE IN ITALYとあります。
英米盤は背にタイトル等は書かれていませんが、イタリア盤はJOUJOUKA ROLLING STONESと書かれています。THEが無いのでおそらくROLLING STONES RECORDSのRECORDSを印刷するのを忘れてしまったんだと思いますが、これだとローリング・ストーンズの『JOUJOUKA』というアルバムみたいですね!
他国ではシートとなっていましたがイタリアではレコードを入れるインナーとなっています。各国盤と比べるとかなり大きく感じ、紙も厚くしっかりとしています。ブライアンのサインがないタイプです。
インナーの解説側です。下部はイタリア独自のクレジットとなっています。こちらもタイトルがBrian Jones plays with~となっています。
インナーの右下の部分です。裏ジャケにあった配給元の会社名が書かれています。その下に小さくMADE IN ITALYがあります。
ラベルです。ラベルもBrian Jones plays with~となっています。イタリア盤はジャケット、インナー、ラベルが全部plays with~と間違ったままですがこの部分が後で修正されたかは不明です。リムの最後にMADE IN ITALYがあります。マトリクスは機械打ちでCOC-49100-1 2-9-71/COC-49100-2です。A面にだけ手書きで2-9-71と日付が書かれています。
リムのMADE IN ITALYの部分です。
B面のラベルです。
オーストラリア盤です。ジャケットはコーティングされているような感じです。オーストラリア盤はジャケット、ラベル共にタイトルはpresents~となっています。また、このオーストラリア盤は薄い紙を使っているため他国と比べると背の幅が狭いです。
裏ジャケです。
見開き内側の右側の白いラインのところにManufactured and Distributed under licenceとあります。
シートはUK盤の2番目のサインあり+クレジットなしのもので紙質も全く同じなのでここでは省略します。以前も書きましたがシートはイギリス、アメリカ、オーストラリア共通で使われていたと思います。ラベルです。リムがラベル下部にあります。リムの中央にMANUFACTURED IN AUSTRALIAとあります。マトリクスは機械打ちでA MX 165615 COC 49100-1/A MX 165616 COC 49100-2です。
リムのMANUFACTURED IN AUSTRALIAの部分です。
B面のラベルです。
次はフランスで発売されていたレコードです。フランスではジャケット、レコード共にUK盤を使って発売していました。裏ジャケ右上の規格番号の下にBという丸いシールが貼られています。これはよくフランス盤で印刷されている価格コードです。
裏ジャケ右下にDISTRIBUTION KENNY FILIPACCHI MUSIC SA.のシールが貼られています。このKENNY FILIPACCHI~はローリング・ストーンズ・レコードのフランスでの配給元の会社です。フランス盤の「Brown Sugar」にもこのシールが貼られているものがありましたが、このシールが貼られているものはフランス国内で発売されたことを表します。
次はドイツ盤です。ドイツではレコードを自国でプレスしていますが、これが一番分かりずらくやっかいです。ジャケットはUK製のものを使っていて外側からはUK盤なのかドイツ盤なのか全く分かりません。ラベルはUK盤と全く同じでMade in Germanyなどのクレジットはありません。見分け方はマトにManufactured in Germanyの刻印があるかないかです。マトだけでしか見分けがつかないなんてファーストの「Tell Me」や『サタニック』のラウドカットを探すみたいな感覚ですね!マトリクスは機械打ちでCOC 49100 A2/COC 49100 B1です。これはUK盤のマトと同じです。私の持っているのはジャケットにタイトルを修正したステッカーが貼られているもので、シートは最初のブライアンのサインが無いものですが、おそらく他の組み合わせもあると思います。
フランスのように外からシールで見分ける国はいいとして、ドイツ盤のランナウトグルーヴの刻印でしか分からないレコードはホントに探すのが困難ですよね!私は偶然ドイツのeBayを見ていたらこれが出品されていて肝心の刻印の写真がなく説明文だけだったので半信半疑で買いましたが届いてからManufactured in Germanyの刻印があったのでホッとしたなんてことがありました。これだとレコード店の店員さんが気が付かなくてUK盤として売っているかもしれませんね。面白いのはイタリア盤で、ジャケット、インナー、ラベル全部がBrian Jones plays~とタイトルが間違っています。ここまで来ると後で訂正はなかったような気がします。今回までいろいろな国の『JOUJOUKA』を紹介してきましたが、私の持っているのはこれで全部です。まだ他の国からも出ているかも知れませんので、また何か入手しましたら追記します。しかし、ブライアンが亡くなってから50年とはビックリですね。もし存命だったらどんな活躍をしたのか時々考えますがこれは永遠の謎ですよね!