ローリング・ストーンズのオーストラリア盤『12X5』です。1964年11月に発売され、規格番号はモノラルLKA 7591、ステレオSKLA 7591です。オーストラリアでは初回に例のUK Export仕様の『12X5』と同じデザインのジャケットが使われています。2年前にUK輸出仕様ともUSA初版とも言われているこのジャケットの時に、オーストラリア盤も一緒に紹介しましたが簡単に紹介しただけなので今回は細かい部分も見ていきたいと思います。当時のオーストラリアではこのジャケットは発売から6週間しか流通していなかったという資料もあります。Made in Australia等のクレジットはどこにもなくアメリカ同様謎のジャケットです。こちらはモノラルのジャケットになります。日本盤のぺらジャケのような紙質です。USA盤とは左上の規格番号だけ違います。
こちらはステレオのジャケットです。
左上にMONO、STEREOとそれぞれの規格番号があります。LKA 7591、SKLA 7591はオーストラリア独自の番号です。
裏ジャケです。USA盤の『12X5』と同じデザインです。真ん中が凹んだフリップバックとなっています。USA盤と同じように「Congratulations」は「Congradulations」とミスっています。
裏ジャケの右下の部分です。上がモノラル、下がステレオです。フリップバックの折り返しの上にUSA盤と同じCPL 1917という謎の記号があります。
裏ジャケの左下の部分です。モノラル、ステレオ共に規格番号と、also available in~のクレジットがあります。
ステレオの下部中央にPLAY THIS RECORD ONLY ON STEREOPHONIC EQUIPMENTとあります。
オーストラリア盤の通常盤のジャケットです。資料が正しいとすると発売から6ヶ月後にこのジャケットに変わったことになります。モノラル、ステレオは共通のジャケットでステレオはSTEREOのステッカーが貼られていました。こちらもぺらジャケです。
初期オーストラリア盤に見られるSTEREOのステッカーです。貼ってない方はモノラルになります。
裏ジャケです。各国と同じデザインですが、写真を含め全部青になっており、真ん中が凹んでいないフリップバックとなっています。こちらも「Conlatulations」のスペルをミスっています。
裏ジャケ右上の部分です。モノラル、ステレオ共通のジャケットなので両方の規格番号が書かれています。
下部はオーストラリア独自のクレジットとなっています。当時のオーストラリアではDECCAの配給元はEMIだったようです。上のジャケットではMade in Australiaがありませんでしたが、こちらにはあります。
モノラルのラベルです。ファーストの写真を使ったジャケットと、通常のジャケットの両方にこのラベルのレコードが入っていました。この赤いモノラルのラベルはオーストラリアで1964年から70年まで使われていました。ラベルの両側に面表記の1があるのが特徴です。マトリクスは機械打ちでARL 6493 XDECX 84/ARL 6494 XDECX 85です。
ステレオのラベルです。この赤いステレオのラベルは1964年(65年としている資料もあり)から1972年まで使われていました。真ん中に太いラインがあり、FULL FREQUENCY STEREOPHONIC SOUNDとあります。マトリクスは機械打ちでZAL 6493-1A/ZAL 6494-1Aです。このZAL 6493、ZAL 6494のマトはUK輸出仕様で使われていましたね。こちらのラベルは初回の別ジャケットの方に入っていました。
こちらは通常のジャケットに入っていた方です。上のラベルとほぼ同じですが、規格番号のすぐ左側にあったLEEDS MUSICがラベルの一番左側へ移動しています。マトリクスは同じでZAL 6493-1A/ZAL 6494-1Aです。
73年頃にはステレオだけ再発されます。ジャケットは硬めの紙になり表側だけコーテイングされています。ジャケットの表側は写真がコピーしたような感じでメンバーが薄暗い所にいるようです。裏ジャケはフリップバックがありません。右下にあったDECCAのロゴが中央に移動しています。右上の規格番号の部分もステレオの番号だけとなっています。写真や文字の色は青です。
裏ジャケ右上の規格番号の部分です。モノラルが生産されなくなったためかステレオの番号しかありません。
DECCAのロゴが中央に寄ったため、左下のクレジットもコンパクトにまとめられています。「Conglatulations」のスペルは間違ったままです。
ラベルです。オーストラリアで1973年から75年まで使われたボックスト・デッカです。ラベルの色も青に変更となっています。曲目は左揃いになっています。リムのクレジットは同じです。おそらくこれ以降のラベルもあるかと思いますが未確認です。マトリクスは機械打ちでZAL 6493-1A/ZAL 6494-1Aとオリジナル盤と同じです。
オーストラリアではこの後80年代に配給元がポリグラムと変わりますが、その時に発売されたボックス・セットでは全タイトルがUK仕様となり『12X5』はカタログから消えてしまいました。そして最初に取り上げたUK ExportのUSA盤と同じデザインのジャケットがオーストラリアでもあったとは驚きでしたが、このジャケット、USA盤といい謎の多いジャケットですね!規格番号はオーストラリアのものですが明らかにオーストラリアの別のタイトルとはジャケットの作りが違います。これはUSA盤にも言えますよね。両方の裏ジャケにあるCPL 1917も何を表しているのかも不明です。USA盤の方は2年前にこのブログでも取り上げましたがその後分かったことはなく、このジャケットについてはまだまだ研究の余地がありそうです。USA盤の記事はこちらです。↓