ローリング・ストーンズのフランス盤の『ファースト』です。1964年4月に発売され、規格番号はLK 4.605です。フランスではモノラルのみの発売です。ジャケットは各国同様メンバーが横向きでこちらを向いているショットです。UK盤よりもライトが明るい感じでメンバーの顔が白っぽく感じます。これはドイツ盤のファーストに近いです。フランス盤は右上のDECCAのロゴの上に規格番号があります。ジャケットは表側だけコーティングされています。
右上のDECCAのロゴと規格番号の部分です。フランス盤は右上に規格番号があります。LK 4.605 Sと最後にSが付いています。最初ステレオのSを表しているのかと思いましたが、このアルバムはステレオではなくモノラルで、ラベルにはSが付いていないので何を表しているのか不明です。
左がUK盤、右がフランス盤です。ブライアンの顔やシャツの色など、ライトの違いが分かると思います。これは私のUK盤が黄ばんでいるのではなく他に何枚も確認しました。ドイツ盤もフランス盤同様白っぽいジャケです。ライトの色の加減だけですがUK盤の方が人物が立体的に見えます。
裏ジャケです。フリップバック仕様になっています。メンバー5人の写真はフランス独自のものです。通常右側にある曲目は左上にあり、右側の解説は全てフランス語で書かれています。メンバーの担当楽器も全てフランス語となっています。
曲目の部分です。「Mona」は「I Need You Baby」表記です。面表記はFACE 1/FACE 2です。
右上のDECCAのロゴと規格番号の部分です。
左下の部分です。裏ジャケは2パターンの微妙な違いがあります。上は初期型でIMPRIME EN FRANCE、下は後期型でMade in Franceとなっています。
フランス盤のLPやEPは発売(再発)された日付が右下に入っていてここを見るとそのレコードの発売(再発)された時期が分かります。上は64年6月、下は66年12月となっています。その前は印刷所のクレジットだと思います。
インナーです。フランス盤はセロファン紙のような薄い紙が使われています。現在では破れているのが殆どで完全な姿で残っているのはあまりありません。このインナーにレコードが入っているとなんだか貴重品って感じがしますよね!このインナーは64年から67年頃まで使われていました。
インナーの反対側です。上にレコードを取り出すふたが付いています。こちらも上に大きくDECCAとあり反対側と同じデザインです。
ラベルです。最初に書きましたが、青いデッカのラベルです。どこの資料を見てもフランス・デッカでは『ファースト』から『AFTERMATH』までモノラルは6角形の枠のデッカのロゴの黒ラベル、それ以降のステレオはオープン・デッカの黒ラベルが使われていて、この青いラベルの事には触れていません。もしかしたらフランスではこのレコードの発売直前まで青が使われていてすぐに黒に変わったのかも知れません。それだったらビートルズのゴールド・パーロフォンみたいな立ち位置だ、なんて勝手に想像していますが(笑)。残念ながら64年以前のフランス・デッカのラベルの資料がなく、黒の前は青だったのか分かりませんでした。ただ、フランス盤の『BIG HITS』は6角形のロゴのオレンジのラベルなので特殊なタイプだけなのかも知れません。上に6角形の枠のDECCAのロゴがあります。これはフランス盤ではモノラルのラベルで使われていました。右側にマトリクスと規格番号、面表記があります。面表記はFace 1、Face 2です。「Mona」は「I Need You Baby」表記です。上部のリムにMADE IN FRANCEがあります。マトリクスは機械打ちでX ARL 6271 X1/XARL 6272 X 2です。A面とB面のマトの最初のXと最後のXと数字の間隔がそれぞれ違いますが打たれている通りに書いています。このレコードは裏ジャケの日付が6-64の方に入っていたので最初期のラベルと考えられます。
(追記:2021年1月2日)
フランスの方から情報を頂きましてこの青いラベルはプロモ用で10枚以下のプレスだったそうです。
B面のラベルです。
通常フランスで使われている黒のラベルです。文字の配置は上の青ラベルと全く同じです。マトリクスは機械打ちでX ARL 6272 02/XARL 6272 03と上より枝番の数字が進んでいます。末尾の0は丸い記号のような感じです。上の青ラベルではこの部分がXだったので、もしかしたらアルファベットのOかも知れません。上と同様にA面だけXARLのXだけ離れてX ARLとなっています。こちらのレコードは裏ジャケの日付が12-66の方に入っていました。
B面のラベルです。
初期のフランス盤はいわゆるぺらジャケで、表側がコーティングされていて裏側はフリップバック仕様となっており結構マニア心をそそる作りとなっています。裏側のメンバーの写真も独自のものというのもいいですよね~。 音はUK盤より高音の抜けはありませんが重低音が効いています。(あくまで個人の感想です。)「Tell Me」はきれいにフェイドアウトする通常のヴァージョンが収録されています。ドイツも同様で、2枚目のアルバムにフランス、ドイツ共に『AROUND AND AROUND』という独自の編集アルバムを制作していることも考えて両国で最初から同じマスターを使っていた可能性も考えられます。また、青いラベルの件ですが、今後何か分かりましたら追記します。