ローリング・ストーンズのUSAプロモ盤だけ作られたシングル「Hot Stuff」です。1976年6月(4月説もあり)に作られ、規格番号はRS 19304です。これはシングル「Fool To Cry」と同じ規格番号です。「Fool To Cry」の方のプロモは4月に作られましたが、こちらは6月に作ったという事はアルバムの販売促進のため新たなプロモを作ったのかと思われます。レギュラー盤のAB面だったとはいえ「Fool To Cry」と同じ規格番号とはややこしいですよね!このレコードは両面アルバム・ヴァージョン、片面アルバム・ヴァージョン、片面エディット・ヴァージョンや、両面エデイット・ヴァージョンといろいろなタイプが存在します。専用のピクチャースリーヴは作られず、カンパニースリーブや白い袋に入っています。あと、このプロモ盤だけ(?)に使われたゴリラがオリを開けようとしているピクチャースリーヴもあります。裏側は白で何も印刷されていません。このデザインは何十年も後の『GRRRR!』の時のハイドパークで使われた映像の元ネタのようで面白いですね!
ここからはラベルです。プレス工場コードはSPです。これはペンシルベニア州のSpecialty recordsです。このプロモは両面アルバム・ヴァージョンが収録されています。左側にベロマーク、マト、STEREOがあります。右側に規格番号、著作権表示、タイム表記とPROMOTION COPY NOT FOR SALEがあります。作者クレジットはこれ以降のラベル全てKeith Richard & Mick Jaggerでキースが先になっています。マトリクスは手書きでST-RS-31990-1/ST-RS-31990-2です。両面同じヴァージョンが収録されているのに何故かマトの枝番が1/2と違うものになっています。反対側のラベルも同じです。
プレス工場コードは上と同じSPですが、こちらは片面にエデイット・ヴァージョン、片面にアルバム・ヴァージョンが収録されています。左側にベロマーク、マト、STEREOがあります。右側に規格番号、著作権表示、タイム表記とPROMOTION COPY NOT FOR SALEとその下にSPECIAL EDETED SHORT VERSIONとクレジットされています。このエデイット・ヴァージョンはプロモでしか聴けません。マトリクスはST-RS-32329-1/ST-RS-31990-1です。
アルバム・ヴァージョン側のラベルです。右下にLONG VERSIONのクレジットがあります。
プレス工場コードはPLです。これはテネシー州のPlastic Productsです。片面にエデイット・ヴァージョンが、片面にアルバム・ヴァージョンが収録されています。こちらはエデイット側です。右上にSPECIAL EDETED SHORT VERSIONとあります。左側にベロマーク、マト、STEREOがあります。右側に規格番号、著作権表示、タイム表記とPROMOTION COPY NOT FOR SALEがあります。マトリクスはST-RS-32329-4/ST-RS-31990-3です。両面にPRがあります。
アルバム・ヴァージョン側です。右上にLONG VERSIONと書かれています。
プレス工場コードはMOです。これはカリフォルニア州のMonarch recordsです。このモナーク製のプロモは2種類あります。最初は両面アルバム・ヴァージョンが収録されているプロモです。左側にベロマークがあります。右側にSTEREO、規格番号、マト、著作権表示、タイム表記とPROMOTIONAL COPY NOT FOR SALEがあります。マトリクスは手書きでST-RS 31990-5 △99400-X/ST-RS 31990-5 △99400-Xです。AB面同じラベルで同じマトです。
上と同じプレス工場コードはMOですが、こちらは片面にエデイット・ヴァージョン、片面にアルバム・ヴァージョンが収録されています。文字の配置は上のラベルと同じですが、右側にSPECIAL EDITION SHORT VERSIONが追加されています。マトリクスは手書きでST-RS 32329-6 △100116/ST-RS 31990-5 △99400-Xです。
アルバム・ヴァージョン側のラベルです。こちらも右側にLONG VERSIONが追加されています。
この曲は通常ヴァージョンは5:20ですが、エデイット・ヴァージョンは3:30と2分近くもカットされています。最初の"hot stuff"というフレーズを3回カット、後半のミックが叫んでいる"Everybody~"から始まる部分と"Shake it~"から始まる部分を丸ごとカットしています。このエディット・ヴァージョンは『SUCKING IN THE SEVENTIES』や『JUMP BACK』で聴くことが出来ます。意外なところではフランス独自のシングル「Hand Of Fate/Hot Stuff」でもこのエディット・ヴァージョンが収録されています。アメリカで作られたエデイット・ヴァージョンがどうしてフランスで使われたのか興味がありますね!『BLACK AND BLUE』は発売日に買いましたが、一番最初にこの曲が流れて来た時はそれまでのストーンズとは違ったイメージで正直驚きました。しかしキースのギターのカッティングはカッコいいし、ハーヴィー・マンデルによるくねくねしたリード・ギターがこの曲に合っていると思います。このノリノリのファンク調の曲はミック・テイラーが辞めて新しいストーンズの第一歩にふさわしい曲だと思ったのを覚えています。