今回から5回に分けてローリング・ストーンズのUSA盤『SOME GIRLS』関連のシングルを紹介します。最初はUSA盤「Miss You / Far Aawy Eyes」です。1978年5月10日(6月2日説もあり)に発売され、規格番号はRS 19307です。他国はEMIへ移籍しましたがアメリカ、カナダではこのシングル以降もアトランティックから発売されているので規格番号がそれまで同様RS 19300番台が使われています。USA盤は両面エデイット・ヴァージョンが収録されています。この曲は現在でも重要なステージで演奏されている説明不要の大ヒット曲ですね!USA盤は上からレコードを取り出す袋型のピクチャースリーヴになっています。デザインは各国盤と同じですが上部がやや丸型にカットされているのが特徴です。
左下に回転数、STEREO、ベロマーク、規格番号があります。
ピクチャースリーヴの裏側です。B面のタイトル「Far Away Eyes」が書かれています。以前、後藤博則さんにこのミックのアップの写真は『BLACK AND BLUE』のジャケットのものだと教えて頂きました。何度もこのピクチャースリーヴを見ているのにホントに何十年も気がつきませんでした! 上部の「レコード取り出し口は緩い丸にカットされています。
下部中央のクレジットの部分です。アルバム『SOME GIRLS』の番号や、アトランティックの住所などが書かれています。
上のクレジットの最後の部分にPrinted in U.S.A.があります。
ラベルです。プレス工場コードはRIです。これはインディアナ州のPRC Company Richmondです。上部にグループ名があります。左側にベロマ―ク、マト、STEREOがあります。右側に規格番号、面表記、タイム表記があります。曲目の下に作者クレジットがありますが、キースのクレジットはRichardsになっています。ここではプロデュースの他にアレンジもグリマー・ツインズになっています。一番下にストーンズ・レコードの登録商標があります。マトリクスは手書きでST RS 35148-4-1-1 PRC/ST RS 35149-3-1-1 PRCです。これ以降のラベルのレコード全てSTERLINGの刻印があります。
B面のラベルです。
上と同じRIですが、上のラベルの右側にあった面表記がありません。また、リムにWのロゴがあります。その他の部分の文字の配置は上と同じです。マトリクスは手書きでST RS 35148-4-1-1 PRC/ST RS 35149-4-11-1 PRCです。上のラベルからB面の枝番が3から4に進んでいます。
B面のラベルです。
プレス工場コードはMOです。これはカリフォルニア州のMonarch recordsです。左側にベロマークがあります。右側にSTEREO、規格番号、マト、パブリッシャー、タイム表記がまとめてあります。曲目の部分はRIのラベルと同じです。マトリクスは手書きでST RS 35148-6 △104615/ST RS 35149-6 △104617です。
B面のラベルです。
プレス工場コードはSPです。これはペンシルベニア州のSpecialty Records Corporationです。左側にベロマ―ク、マト、STEREOがあります。右側に規格番号、タイム表記があります。曲目の部分は上のラベルと同じです。リムにWEAのWのロゴがあります。マトリクスは手書きでST RS 35148-7 SP/ST RS 35149-8 SPです。B面のマトは枝番の7をXで消して8と書かれています。
B面のラベルです。
85年に発売されたOLDIESラベルです。規格番号がRS 19307からRS 13219に変更となっています。このシングルも両面エデイット・ヴァージョンが収録されています。プレス工場コードはSPです。これはペンシルベニア州のSpecialty Records Corporationです。文字の配置は上のSPのラベルと同じです。マトリクスは手書きでST RS 35148-8/ST RS 35149-8です。A面のマトは7をXで消して8と書かれています。
B面のラベルです。
ここからはプロモです。プロモ盤は片面にエデイット・ヴァージョンのモノラル、片面にエデイット・ヴァージョンのステレオが収録されています。エデイット・ヴァージョンのモノラルというのはこのプロモ盤でしか聴けません。プロモ盤はアトランティックのカンパニースリーブに入っています。
プレス工場コードはSPです。これはペンシルベニア州のSpecialty Records Corporationです。なんと、リムが73年頃までの1841 B' WAYの旧住所のものが使われています。上部にグループ名があります。左側にベロマーク、マト、MONOがあります。右側に規格番号、タイム表記、PROMOTION COPY NOT FOR SALEがあります。曲目の部分はレギュラー盤と同じです。マトリクスは手書きでRS-35148-1 SP/ST-RS 35148-1 SPです。最初がモノラル、次がステレオのマトです。このレコードだけ枝番が両面1です。 プロモ盤もこれ以降のレコード全てにSTERLINGの刻印があります。
ステレオ側です。こちらのリムも旧住所のものが使われています。旧住所から移転してからこの時点で5年近く経っているのにこういう間違いは面白いですよね!
プレス工場コードはRIです。これはインディアナ州のPRC Company Richmondです。左側にベロマーク、マト、MONOがあります。右側に規格番号、タイム表記、PROMOTION COPY NOT FOR SALEがあります。曲目の部分はレギュラー盤と同じです。マトリクスは手書きでRS 34148-2-11-1 PRC/ST RS 35148-4-1-1 PRCです。
ステレオ側のラベルです。
プレス工場コードはMOです。これはカルフォルニア州のMonarch recordsです。左側にベロマークがあります。右側にMONO、規格番号、マト、パブリッシャー、タイム表記、PROMOTION COPY NOT FOR SALEがあります。曲目の部分はレギュラー盤と同じです。マトリクスは手書きでRS 35148-3 △104614/ST RS 35148-6 △104615です。ステレオ側はレギュラー盤のMOと同じマトです。
ステレオ側です。
テスト・プレスです。プレス工場コードはSPです。上部にタイトルがあります。左側にマトとMONOがあります。右側に規格番号、パブリッシャー、タイム表記、PROMOTION COPY NOT FOR SALEがあります。下部にアーティスト名があります。ベロマークはどこにもありません。マトリクスは手書きでRS 35148-4 SP/ST-RS 35148-7 SPです。
ステレオ側です。
UK盤の「Miss You」の時に書きましたが、このシングルのエデイット・ヴァージョンについてカットされている部分についてもう一度説明します。「Miss You」は中盤のサックス・ソロをカットし、その次の"You've just been blotting out my mibnd"以降をカットしそのままフェイドアウトしてしまいます。エンディングのハーモニカも入っていません。「Far Away Eyes」はロニーが弾くペダル・スチールの間奏が丸ごとカットされています。エンディングのSo if you down on your luck~far away eyesの部分をカットし、フェイドアウトしてしまいます。この頃になると60年代の雑な編集に比べて何気なく聴いてるとどこをカットしたのか分からない巧みな編集になっていますね。このシングルはアメリカでヒットチャートの一位を記録しました。考えてみるとストーンズの曲の中では数少ない全米ナンバーワンに輝いた曲です。ライヴでも定番の曲となっていますが、89年以降のキーボードでハーモニカ風の音でリフを弾いているアレンジではなく、やっぱり78年~82年のギターでリフを弾いているのがいいですよね!特に78ツアーの演奏はメンバー全員が鬼気迫る感じでスゴいです!途中のチャーリーとビルだけの演奏になる部分やミックの語りの個所もいいですよね。ディスコブームの乗っただけではなく、ストーンズとしてよく出来ている曲だと思います。次回はアメリカでの第2弾シングル「Beast Of Burden」を紹介します。