ローリング・ストーンズのフランス盤「Fool To Cry / Crazy Mama」です。1976年4月20日に発売され、規格番号はRS 19121です。ピクチャースリーヴは『BLACK AND BLUE』のジャケットをそのまま見開いた写真が使われています。日本盤はちゃんとアルバムに使用された元の写真を使っていましたが、フランス盤はアルバムのジャケットをそのまま使うというのも宣伝を兼ねてなのか面白いですよね。上部にベロマークとグループ名があり、A面とB面のタイトルが中央に目立つように配置されています。
右上に規格番号RS 19121があります。
ピクチャースリーヴの裏側です。これまでにストーンズ・レコードから発売された6枚のアルバムと、その下に76年ヨーロッパ・ツアーの日程が載っています。『MADE IN THE SHADE』は文字が大きく実際のジャケットとは全く違うデザインになっていますね!「Fool To Cry」のシングルはフランス以外でも76年ツアーの日程が載せている国があり、このツアーに力を入れていたのがわかります。特にフランスでは73年ツアーが中止になったので特に力を入れていたのではないでしょうか。
右上に縦書きで規格番号とプライスコードのEがあります。
左下にMADE IN FRANCEがあります。
右下にベロマークがあります。
中央にフランスでのWEAの販売元のFILIPACCHI MUSICのクレジットがあります。
ツアーの日程の部分です。4月~6月の月の表記がフランス語になっています。また、フランス公演は目立つように青い文字となっています。
ラベルです。こちらはMPOというプレス工場でプレスされたレコードです。上部に独自のフォントのグループ名があります。左側に回転数、プロデューサー・クレジット、パブリッシャー、著作権協会のSACEMのロゴ、面表記があります。回転数は45 tours、面表記はFace Aです。右側にベロマーク、規格番号、マト、Stereoがあります。リムの最後にMADE IN FRANCEがあります。他国同様作者クレジットはキース、ミックの順になっています。マトリクスは機械打ちでWEA 19121 A/WEA 19121 Bです。両面にSTERLINGの刻印があります。
B面のラベルです。
こちらは上と同じイエロー・ラベルですがデザインが違うものです。こちらはAREACEMというプレス工場でプレスされたレコードです。上のラベルでは上部にあったグループ名がないのでだいぶ印象が違います。そのグループ名は普通のフォントになり下に移動しています。左側にパブリッシャー、規格番号、マト、STEREOがあります。右側にベロマーク、SACEM、面表記があります。上のラベルではフランス語表記だったSTEREOや面表記はこちらでは英語表記となっています。下部にグループ名、タイトル、作者クレジット、プロデューサー・クレジットがあります。マトリクスは手書きでWEA 19121 A/WEA 19121 Bです。上のラベルと同じマトですが、上のラベルは機械打ちでこちらは手書きです。また、STERLINGの刻印はこちらにはありません。同じフランス・プレスのイエロー・ラベルなのに上のラベルとは比べると表記は英語、マトも違うというプレス工場によってなのか謎のラベルです。
B面のラベルです。
後期型のグリーンのラベルです。上部にグループ名があります。左側にベロマーク、SACEM、MADE IN FRANCEがあります。右側に回転数、STEREO、面表記、規格番号、パブリッシャーがあります。タイトルの下に作者クレジット、グループ名、プロデューサー・クレジットがあります。マトリクスは手書きでROL RS 19121 A CIDIS/ROL RS 19121 B CIDISです。
B面のラベルです。
ここからはプロモ盤です。規格番号はPRO 51で、両面モノラルで収録されています。ピクチャースリーヴは無く、レコードはWEA/FILIPACCHI MUSICの専用のカンパニースリーブに入っています。
下部にベロマークがあります。
カンパニースリーブの裏側です。表側と同じデザインですが左側にレコード取り出し口の丸い切り込みがあります。
裏側の右下にフランスの印刷所のOFFSET FRANCEとprinted in Franceがあります。
ラベルです。こちらはモノラルで3:59のエデイット・ヴァージョンが収録されています。上部に最初のラベルと同じフォントのグループ名があります。左側も最初のラベルと全く同じです。右側にベロマーク、プロモ用の規格番号PRO 51、マト、Monoがあります。曲目の部分も最初のラベルと同じです。リムの最後にMADE IN FRANCEがあります。マトリクスは機械打ちでWEA PRO 51 A/WEA PRO 51 Bです。両面にSTERLINGの刻印があります。マトリクスはプロモ専用のものでレギュラー盤のマトとは全く違います。
B面のラベルです。こちらは通常ヴァージョンですがモノラルで収録されています。
フランスのシングル盤でプロモ盤が作られたのはこの「Fool To Cry」の他にジュークボックス用に「Brown Sugar」、ショート・ヴァージョンが収録された「Emotional Rescue」がありますが独自のプロモは珍しいです。それだけこのシングルに力を入れていたのが窺えます。特に「Fool To Cry」はモノラルのエデイット・ヴァージョンになっており、イントロのピアノの部分から始まり、3フレーズ目の"I love you so much baby"から"You make me want to sigh sometime"までをカット、エンディングの"come on"の辺りでフェイドアウトしてしまうヴァージョンです。このラベルでは3'59となっていますが実際は4'07位あります。ステレオは最近では『GRRRRR!』に収録されていますがモノラルは珍しいです。「Crazy Mama」はUSA盤プロモ盤だけに収録されていた珍しいモノラルとなっています。「Fool To Cry」はこのシングルが発売された年の76年ツアーでは毎回演奏していましたが、2000年以降は数回演奏されただけでレアな曲になっています。今回のツアーでも1回だけ演奏されましたね。バラードをA面に持って来るのは珍しいですがミックのヴォーカルが素晴らしいいい曲だと思います。「Crazy Mama」は2000年以降何回か演奏してますがやはり翌年のエルモカンボでのライヴがベストだと思います。また来日してくれることがあったらこういったレアな曲を聴いてみたいですね。