ローリング・ストーンズのUK盤『SOME GIRLS』です。1978年6月9日に発売され、規格番号はCUN 39108です。イギリスでは配給元がEMIに変わったため規格番号の頭の記号がCUNとなっています。このアルバムはジャケットが穴あきになっていてインナーに印刷された女装したメンバーや、女優の顔がその穴から覗いているという特殊なジャケットとなっています。女優からクレームが付いたため一ヶ月ぐらいで女優の顔をカットしたセンサード・カヴァーになってしまっています。CD化以降もオリジナルの女優の顔は復活せずずっとセンサード・ヴァージョンとなっています。オリジナルのジャケットは色のパターンが4種類あります。こちらは当時の日本盤と同じタイトルが赤で、上から緑→黄色→青→ピンクのジャケットです。
こちらはタイトルが赤で、上から青→ピンク→緑→黄色のジャケットです。
こちらはパステルカラーのジャケットでタイトルが赤です。
こちらはパステルカラーのジャケットでタイトルが青となっています。色違いはこの他に以前紹介したイタリア盤の上から黄色→青→ピンク→緑のものとピンク→緑→黄色→青のものと、変わり種でブラジル盤の黄色→黄色→オフホワイト→ピンクがあります。
裏ジャケです。こちらは表側の色違いとは関係なく全て同じ色合い、同じデザインです。
右上に規格番号のCUN 39108と当時のEMI盤で使われていた国別の番号があります。イギリスはOC064~で始まっていますがドイツは1C、フランスは2Cなど国によって番号が振り分けられていました。EMI盤はこの部分を見るとどの国のレコードか判別できるので便利です。
右下に印刷所のGarrod and Lofthouse Ltd.のクレジットがあります。
左下にベロマークがあります。
タイトルの下にメンバーの担当楽器が書かれています。当時これを見た時「Miss You」のサックスにメル・コリンズが参加しているのでビックリしたのを覚えています。
インナーです。コーナーが丸くカットされています。しかしメンバーはともかく女優さんの顔を塗りたくっているのはさすがにやりすぎかも知れませんね!
インナーの反対側です。こちらをジャケットに差し込んでも穴からちゃんと顔が見えるようになっています。上部レコード取り出し口がカットされています。
右上に規格番号があります。
右下に印刷所のGarrod and Lofthouse Ltd.を省略したG & Lのクレジットがあります。
こちらは女優の顔をカットしたインナーになります。隙間を埋めるため空欄には、Pardon our appearance(外見を許してください)、cover under reconstruction(再建中のカバー)などと書かれています。
反対側です。規格番号と印刷所のクレジットは変わりありません。
センサード・ヴァージョンのインナーをジャケットに入れるとこんな感じになります。CD化以降もこのジャケットで、オリジナルの女優の顔があるジャケットはオリジナル以降全く発売されていないのが残念ですね。
ラベルです。ジャケットと同じ半分白抜きのTHE ROLLING STONESが中央にあるのが特徴です。その両側にSome Girlsとあります。一番上が面表記となっており、2曲のタイトルが中央よりも上にあります。その右下にベロマークがあります。左側に規格番号のCUN 39108とマト、Stereoがあります。残りの3曲のタイトルは中央より下にあります。一番下に作者クレジットや著作権表示があります。リムの最後にMADE IN Gt. BRITAINがあります。マトリクスは一番多いと思われるのが手書きでCUN 39108 A 2U/CUN 39108 B 3Uです。その他に3U/1U、1U/3U、1U/4U、3U/3Uなどを確認しました。未確認ですがこれらの組み合わせから考えて1U/1Uは確実にあると思います。また、後期プレス、枝番が4U以降になると手書きと機械打ちの両方書かれており、CUN 39108 5A CUN 39108 A-5U/CUN 39108 4B CUN 39108 B-4Uとなっています。両面共2番目のCUNから始まる部分が機械打ちとなっています。また、過渡期でA面は手書きと機械打ちの混合でB面は手書きの3Uや、両面手書きと機械の混合で4Uというのも確認しました。
B面のラベルです。
初めてこのジャケットを見た時はくり抜きで化粧したメンバーの顔がのぞいているという面白いアイデアだなと思いました。これってインナーの反対側を表にして入れてもちゃんとくり抜きから顔がのぞくようになっているのが面白いですよね。一番最初に買ったのが一番上に緑色がある日本盤で、UK盤のような色のパターンを知ったのは相当後になってからでした。初めて聞いた時はシンプルではつらつとしたサウンドに戸惑いましたが当時すぐに気に入って何度も聞いていたのを覚えています。このこのアルバムを引っさげてUSツアーを行いましたが、この78年ツアーのブートはわりと早く出回りました。当時私は東京に住んでいたのですぐに何枚かブートを買いましたが前回の75/76ツアーのどろどろした粘っこい演奏とは違ったパンキッシュな演奏に感激しました。今でも78年当時のストーンズは容姿もカッコいいし演奏も気にいっています。レコードはラベルの時にも書きましたがマトの組み合わせから考えて両面マト1が必ずあると思います。もしお持ちの方がいらっしゃいましたらご連絡願います。次回はCBS以降の再発盤を紹介します。
(追記)タカツさんから両面マト1が存在するとの情報を頂きました。タカツさん、ありがとうございました。