ロック好きの人なら一度はレコードを買いに訪れているであろう西新宿。80年代~90年代は何十軒ものレコード屋さんが密集していて、全部のお店を回るのに一日を要するんじゃないかといった感じでした。コロナ禍になってから一度も訪れていませんが、最近はレコード屋さんの数はかなり減ってしまいましたね。
初めて西新宿へレコードを買いに行ったのは高校3年生だった1977年5月2日のことでした。初めての東京で、ミュージック・ライフの広告を頼りに特急で4時間近くかけて上京しました。特急で上野駅に着いてから山手線で新宿まで行き、西口の改札を出たまでは良かったんですが、駅の外に出る出口が分からない…。人波に流されながらぐるぐる回っていて適当に近くにあった階段を上るとロータリーの中にあるバス乗り場でした。しょうがないのでバス乗り場から道路を横断し、何とか地上にある歩道にたどり着きました。一旦駅の方に戻り駅沿いの道を右に歩き始めました。信号を渡り更に歩いていくと雑誌の広告に出ていた目印の店があり、その道を左に曲がり、すぐに右に曲がったところにそのレコード店はありました。キニ―というお店です。今迄何度か通販で利用していた店にやっとたどり着いた感激で写真を撮ってもらいました(笑)。
店の中に入ると4畳半もないような狭い店で大音響で音楽が流れていました。雑誌で見たレコードがたくさんあり、当時は情報が全くなくどれを買っていいのか分からなっかったので、値札に書かれていたコメントを参考にこの時は値札に「ミック・テイラー最後のコンサート」と書かれていたストーンズの『NASTY MUSIC』や、75年のLAのライヴ盤、ビートルズの『GET BACK』など5枚を買いました。下の写真は当日キニ―の前で撮った写真です。
次の店はその店の近くにあるOMという店で、この店では壁にジョン・レノンの『ROOTS』が飾ってあり、この時は何のレコードだろうと思って見ていたのを覚えています。もし本物だったらこの時買っておけば、と今でも時々思い出します。この店ではリンダ・ロンシュタットの当時日本盤が出ていなかった『SILK PURSE』を買い、この時はまだ他の店は知らずこの日はこの2件だけ回って初めての東京だったこともあり疲れてとりあえず帰ることにしました。帰りも相変わらず新宿駅への入り方が分からず、適当に階段を下りて行ったら改札にたどり着きました。ホント、地方から出ていくと東京って大冒険ですよね!上野に戻り、駅の中でカレーを食べて帰りの特急に乗りました。帰りの列車の中では買ったレコードを取り出して感動して眺めたりしていました。ストーンズの『NASTY MUSIC』はこの時初めて見ましたが、その後音質と超人的な演奏が話題になりプレミア価格になって驚きました。オリジナル盤を普通の値段で買えてラッキーだったと思います。夕飯までには家にたどり帰り、明治生まれの祖父に東京へ行ってきたこと話すと「日帰りで行って来たのか。」と驚いていました。祖父はこの街に新幹線が通る2年前になくなったので、現在は新幹線で1時間半で東京に着くと知ったらもっと驚いたでしょうね。東京でレコードを買ったのはもちろんですが、初めての東京は人が多くてものすごく刺激的だったのを覚えています!
写真はこの時買ったストーンズの『NASTY MUSIC』です。シールドの間に薄いスリックを挟んだだけのいかにも海賊盤といった感じですね!SODD (Singer's Original Doubla Disk)というレーベルから77年に発売され、規格番号はSODD 012です。
曲目の部分です。73年ヨーロッパ・ツアーと一部72年のMSGでのライヴが収録されています。これは説明不要ですよね!
一枚目のレコードです。TAKAL系の黄色いラベルでSIDE ONEとだけ書かれています。マトリクスは手書きでSODD 2-012-A/SODD 2-012-B/SODD 2-012 C/SODD 2-012 Dです。2枚目のマトのアルファベットの前のハイフンはありません。
2枚目のレコードのラベルです。こちらは白いラベルになっています。面表記だけっていうのがホントに当時の海賊盤っていう雰囲気で気に入ってます。
このブログではオフシャルを主に紹介していてブートは殆ど取り上げていませんが、今回のように話の内容によっては紹介することもあるかも知れませんのでよろしくお願いします。