ローリング・ストーンズのフランス盤EP『Not Fade Away』です。1964年4月に発売され、規格番号は457.031です。収録曲は「Not Fade Away」「Little By Little」「Stoned」「Poison Ivy」の4曲です。「Stoned」はジャケ、ラベル共に「Stones」とミスっています。ジャケットは表側がコーティングされています。メンバーの写真もなく曲目と大きくグループ名があるだけで、文字だけのジャケットというのも味気の無いものですね!
裏ジャケです。裏ジャケはデザイン違いが2種類ありますが、こちらは最初期のものです。
曲目の部分です。左が初期型、右が後期型です。文字のフォントが違います。両方共「Stoned」を「Stones」とミスっています。
右上の部分です。上が初期型、下が後期型です。文字のフォントが違います。また、後期型はMEDIUMと全部大文字となっています。後期型には価格コードのMがあります。
右下の部分です。上から初期型、中期、後期型です。初回盤はこの部分にMADE IN FRANCEがあります。また、印刷所は初回型はTOURSONという会社ですが、後期型はACEMという会社です。フランス盤はアルバムもそうですが、この部分に発売された年月が書かれているので発売された時期が分かります。上が初期型で4-64、中と下が後期型でそれぞれ8-69、2-70と書いてあります。この年月は私の持っているレコードのもので、他にもこの前後の年月が書かれている場合があります。今のところ確認した年月は次の通りです。4-64、6-64、7-64、9-64、8-65、9-65、7-66、10-67、12-68、8-69、2-70、そして裏ジャケが新しいデザインになってから70、71です。このEPに関してはいつ後期型のジャケットに変わったのかは正確には不明ですが、他のフランス盤から考えて、10-67、12-68の頃だと思います。
下の後期型の下部中央にMade in Franceと書かれています。初期型は空欄になっています。DECCAのロゴは上の初期型は全体に黒で、後期型は周りに枠があります。
71年以降の裏ジャケです。曲目が上へ、写真が下へ移動してオリジナルとは全く別のデザインとなっています。表側は同じです。
左側のオリジナル盤の裏ジャケと並べてみると違いがよく分かります。デッカのロゴの位置も違いますね。
ここでも「Stones」とミスっています。70年代になってもまだ修正されなかったとは驚きです。
タイプBの初期型は左下にMade in Franceがあります。後期型は空欄になっています。
タイプBの右下の部分です。こちらも初期型は記号が書かれていますが、後期型は何も書かれていません。
ラベルです。オリジナルのデッカのロゴが6角形になっているラベルです。上部にグループ名とImpact Soundのクレジットがあります。パブリシャーは1964です。右側にマト、規格番号、面表記、BEAMのロゴがあります。回転数は一番下にあります。リムにMADE IN FRANCEがあります。マトリクスは機械打ちで3064M 1294 X4/3064M 1295 P3です。その他に末尾がD7/D5を確認しました。ジャケットは最初のものです。
B面のラベルです。ラベルでも「Stoned」を「Stones」と間違っています。
セカンド・ラベルです。デッカのロゴが四角くなっています。オリジナル盤で下にあった回転数がデッカのロゴの上に移動しています。その他のクレジットはオリジナル盤と同じです。マトリクスは機械打ちで3064M 1294 D7/3064M 1295 D5です。この末尾は初回盤の後期プレスと同じです。後期型のジャケットに入っていました。
B面のラベルです。ここでも「Stoned」とミスっています。
サード・ラベルです。上部にデッカのロゴがあります。デッカのロゴの下にMADE IN FRANCEがあります。左側にBEAMのロゴがあります。右側にマト、規格番号、面表記があります。上部にあったグループ名は曲目の上にあります。マトリクスは機械打ちで3064M 1294 X5/3064M 1295 D5です。70年代の裏ジャケが新しいデザインになったジャケに入っていました。
B面のラベルです。ラベルでも「Stones」とミスったままになっています。
サードラベルの後期型です。著作権表示がBIEMからフランスの著作権管理団体のSACEMに変更になっています。その他のクレジットは上のラベルと同じです。
B面のラベルです。結局最後まで「Stones」のままでした。
このEPは選曲の出所がバラバラで面白いですよね。「Not Fade Away」はシングルA面、「Little By Little」はLP『ファースト』から、「Stoned」はシングル「I Wanna Be Your Man」のB面、「Poison Ivy」はUKでの最初のEPからとなっています。新曲の「Not Fade Away」に合わせてむりやり曲を集めたような内容です。ジャケットも急遽作ったのか文字だけとなっています。裏ジャケの写真を使ったスペイン盤のEPがあるんだからフランス盤もこの写真を使えばよかったのにとも思います。日本盤もそうでしたが当時はストーンズの写真が限られていていろいろな写真が入って来なかったのかも知れませんね。そして「Stoned」ですが、70年代に入ってからの最終プレスまで「Stones」と間違えたままというのも何だか適当ですよね!フランスで初めて「Stoned」となったのは73年10月の『NO STONE UNTURNED』だったので当時のフランスの方はそれまではこの曲のタイトルは「Stones」と思い込んでいたのではと思います。また、逆に修正されたタイトルを見て「Stoned」って間違えてるぞ、なんて思った方もいたかも知れません(笑)。