ローリング・ストーンズのドイツ・シングル盤「Brown Sugar / Bitch」です。1971年4月に発売され、規格番号はRS 19 100です。ドイツではアメリカや日本同様B面は「Bicth」のみ収録されています。 このドイツ盤もいくつかのラベルが存在します。ピクチャー・スリーヴは各国盤同様メンバーが『スティッキー』のジャケットを持っている写真が使われていますが、なんとこのドイツ盤は写真が反転しています。右側にいたミックが左側にいて、チャーリーが右にいます。左側を振り返っていたキースが右側を振り返っています。数年前に知ったんですが、この写真は5人揃っての撮影ではなく、一人ひとり個別に撮った写真を合成したものなんですね!タイトル文字が青の国が多いですがドイツ盤は黒いのが特徴です。バックの色も白が多いですが、ドイツ盤は薄い青になっています。ピクチャースリーヴは表裏エンボス加工になっています。
左側がUK盤、右側がドイツ盤です。写真が反転しています。タイトル文字やバックの色の違いもこうやって見ると違いが分かりますね!
タイトル文字の部分です。
右上に規格番号とベロマークがあります。
ピクチャー・スリーヴの裏側です。こちらも各国盤は青いジーンズでしたがドイツ盤はブラック・ジーンズみたいな感じになっています。
左側がUK盤、右側がドイツ盤です。
UK盤は下部にクレジットがありましたがドイツ盤は右上に規格番号や配給元のKinney Musicのクレジットがあります。ドイツでの配給元は72年までこのKinney Musicで73年以降はWEA Recordsに変わります。
ラベルです。プッシュ・アウト・センターのラベルで、規格番号はRSがなく、19100だけになっています。出版社のMirage Musicのクレジットがミスで続けて2ヶ所に書かれています。B面のラベルは1ヶ所のみです。これはこれ以降の全てのラベルで2ヶ所に書かれています。マトリクスは機械打ちでRS-19100-A-4/RS-19100-B-4です。各面の末尾の4の後に判読不能な記号のような刻印があります。また、これ以降のラベル全てにMunufactured in Germanyの刻印があります。
B面のラベルです。こちらはMirage Musicのクレジットは1ヶ所のみです。
上のラベルと同じプッシュ・アウト・センターですが規格番号がRS 19100と頭にRSが付いています。上のRSが付いていないラベルはあまり見かけないのでもしかしたら途中でRSが付いていないのに気が付いて修正されたかも知れません。規格番号以外は上のラベルと文字の配置は全く同じです。また過渡期にプレスされたレコードなのかA面のラベルはRSが付いていて、B面のラベルはRSが無い変則的なものも確認しました。マトリクスは上のラベルと同じでRS-19100-A-4/RS-19100-B-4です。各面の末尾の4の後に判読不能な記号のような刻印があります。
B面のラベルです。
上の2枚のラベルはプッシュ・アウト・センターを支えている爪が3本でしたが、こちらは4本あるタイプです。ドイツでは次の「Tumbling Dice」から爪が4本になりますが「Brown Sugar」ではこの4本の爪のタイプはあまり見かけません。規格番号はRSがない19100です。マトリクスは機械打ちでRS-19100-A-4/RS-19100-B-4です。こちらは末尾の4の後に判別不明の文字はありません。
B面のラベルです。こちらは規格番号の頭にRSが付いているタイプです。4本の爪でB面もRSがないタイプも見た事があるのでこれはおそらくRSを頭に付けた過渡期のラベルだと思います。
センターホールが大きなラベルです。文字の配置は上のプッシュ・アウト・センターのラベルと同じです。マトリクスは機械打ちでRS-19100-A-4/RS-19100-B-4です。
B面のラベルです。
センターホールが大きなラベルですが、こちらは規格番号のフォントが波打ったようなデザインとなっています。タイトルも波打ってるデザインなので統一感がありこのラベルの方がいいような気がします。マトリクスは機械打ちでRS-19100-A-4/RS-19100-B-4です。結局このドイツ盤のマトは枝番が両面4のものしか確認出来ませんでした。
B面のラベルです。
ドイツ盤は各国盤同様両面モノラルです。また、ヨーロッパ各国では「Let It Rock」を含めた3曲入りで発売されましたが、ドイツではB面が「Bitch」だけです。2曲仕様で発売されたのはアメリカと日本などで、この違いはどうやって決まったのか謎が多いですよね。また、なんといってピクチャー・スリーヴの写真が反転しているのも面白いですよね!次回紹介しますがドイツではこの後、「Let It Rock」は単独でシングルカットされています。いやしかし、「Brown Sugar」と「Bitch」という強力なカップリングはストーンズ・レコードの第一弾としてストーンズ史上最高のシングルだと思います。