ローリング・ストーンズのアメリカでの16枚目のシングル「She's A Rainbow/2000 Light Years From Home」です。1967年12月2日に発売され、規格番号は45-906です。以前も紹介しましたが、このシングルには2曲共2種類の違ったエデイット・ヴァージョンが存在します。初期盤にはアルバム『TEHIR SATNIC MAJESTIES REQUEST』をコラージュした色鮮やかなサイケ調のピクチャースリーヴが付けられました。上にタイトルの「She's A Rainbow」、下にグループ名があります。左下にLONDONのロゴと45-906があります。ストーンズのUSロンドン盤のピクチャースリーヴは暗い色のものが多いですが、このピクチャースリーヴはサイケ時代のせいか派手な配色ですね!
裏ジャケです。こちらはタイトルが「2000 Light Years From Home」となっています。上部レコード取り出し口に切り込みがあります。裏側にはLONDONのロゴがなくなっています。
裏ジャケ左下の部分です。表側でLONDONのロゴがあった部分にロンドン・レコードの住所があります。
裏ジャケ右下にPRINTED IN U.S.A.があります。
ラベルです。最初はオレンジ・スワルのプロモから行きます。右側に45-906 DJとあります。その下にMade in U.S.A.と、左側にはPROMOTIONAL COPYのクレジットがあります。タイム表記は2:48です。「2000 Light Years From Home」の方は2:52でプロモ盤全てに両面共モノラルのエデイット・ヴァージョンが収録されています。このエデイット・ヴァージョンはUSA盤のプロモでしか聞けません。またラベルのマトリクス表記がAP-1-41714となっています。このAP-1というのはこのプロモだけに付けられた専用の記号だと思います。B面の方はAP-2となっています。マトリクスは手書きでAP-1 XDR 41714-1A/AP-2 XDR 41715-1Bです。マトリクスはこれ以降全て手書きです。
上と同じ45-906-DJですが、こちらの方が文字が大きいです。規格番号の上にMade in U.S.A.が、下にNOT FOR SALEがあります。左下にPROMOTIONALとあります。LONDONのロゴの下にDistributed by London Records, Inc.があります。マトリクスはAP-1-XDR-41714-1E △67507/AP-2-XDR 41715-1E △67507-Xです。
右側に45 LON 906とあります。左下にPROMOTIONAL COPYがあります。プロデュースとアレンジのクレジットが左側のタイム表記の下へ移動しています。マトリクスはAP-1 41714-1F/AP-2 41715-1Fです。各面ともAP-1、AP-2の後のXDRを線で消してあります。
ここからレギュラー盤のブルースワルです。レギュラー盤はプロモと違って通常のヴァージョンが収録されています。右側に45-906があり、その下にタイム表記、プロデュース、アレンジのクレジットがあります。左側にマトリクスがあります。マトリクスはXDR 41714-SH 2/XDR 41715-SH-6です。他にはSH 4/SH-5を確認しました。SHというのはプレス工場コードでニュー・ヨークのShelley Products, Ltd.のことです。
右側に45-906があります。プロデューサー・クレジットが下部に、タイム表記が左側にあります。タイム表記の上にマトリクスがあり、末尾にBWが付けられています。BWというのはプレス工場コードでニュー・ジャージー州のBestway Products,Inc.のことです。マトリクスはXDR 41714-BW-3/XDR 41715 BWです。B面のマトにハイフンがありませんが、盤に刻まれている通りに書いています。
右側に45-LON-906とMade in U.S.A.があります。左側にタイム表記とマトリクスがあります。全体に文字が小さいです。マトリクスはXDR 41714-1B/XDR 41715-1Gです。
上のラベルと似ていますが左側のクレジットが違います。上のラベルではタイムとマトしかありませんでしたがこちらはpub:Gideon Music Inc. (BMI)があります。もしかしたら上のラベルではミスでこのクレジットを落としてしまったのかも知れません。マトリクスはXDR 41714-1C/XDR 41715-1Gです。
上と同じで右側に45 LON 906がありますが、文字のフォントが全く違います。左側にタイム表記とマトリクスがあります。マトリクスはXDR 41714-1H/XDR 41715-1Hです。
右側に45-906とMade in U.S.A.があります。左側にタイム表記とマトリクスがあります。LONDONのロゴの下にDistributed by London Records, Inc.があります。マトリクスはXDR 41714-1L △69507/XDR 41715-1J △69507-Xです。
75年頃からの規格番号が5N-906となっているラベルです。マトリクスはXDR-41714-X-1/XDR 41715-1Hです。
78年からのカラード・サンセット・ラベルです。規格番号は5N-906で曲目や、クレジット等の文字、配置は上のラベルと全く同じです。マトリクスも同じで、XDR-41714-X-1/XDR 41715-1Hです。
サンセット・ラベルですが上と違い規格番号の下にMade in U.S.A.がありません。左側にタイム表記、下部に曲目とグループ名しかありません。タイム表記は4:10になっていますが、このシングルにはAB面共になんとステレオのエディット・ヴァージョンが収録されています。しかもプロモのモノラルのエディット・ヴァージョンとは全く違う過所にハサミが入れられています!発売は80年頃でしょうか?何故マスターが替わってしまったのか不明ですが、このエデイット・ヴァージョンはこの時期のUSA盤でしか聞くことが出来ません。マトリクスは5N-906-A/5N-906-Bです。
80年代中期からの白ラベルです。2年前は見落としていましたがナント!こちらにもステレオのエデイット・ヴァージョンが収録されています。マトリクスは上と同じ5N-906-A/5N-906-Bです。
各曲2種類のエディット・ヴァージョンがある事は2年前の記事で紹介しましたが、ここでもう一度詳しく説明します。まず「She's A Rainbow」です。60年代のプロモ盤に収録されたモノラルのエデイット・ヴァージョンの方は2番目のコーラスと間奏を丸々カット、後半は「The Lantern」へ繋がる音の部分まで収録されている2:48のヴァージョンです。70年代後半からのサンセット・ラベルに収録されたステレオの方は2:50のエディット・ヴァージョンで1コーラス目が終わるといきなり間奏へ入ってしまいます。モノラルのエデイットでは間奏はカットされていましたが、こちらでは残してあります。エンディングも一部カット、フェイドアウトが早く、「The Lantern」へ繋がる音は聞けません。次は「2000 Light Years From Home」です。60年代のプロモ盤に収録されたモノラルのエディット・ヴァージョンはイントロのメロトロンをカット、ギターの音の前にメロトロンの最後の音が残っています。間奏部分をカット、フェイドアウトが早い2:52のヴァージョンです。一方のステレオのエデイットの方はイントロのメロトロンの音がカットされていますが、こちらはメロトロンの最後の音がきれいにカットされギターが始まります。こちらは間奏部分は残っており間奏直後のコーラスの部分からいきなり最後の歌の部分へ飛ぶという雑な編集が施されています。こちらのタイムは3:05です。各曲2ヴァージョンあるとは珍しいですが、70年代に何故新たにステレオのエディット・ヴァージョンが作られたのか謎ですね!『サタニック』の中でもこの2曲はライヴでも演奏されていてサイケ期ストーンズの名曲ですよね。『STICKY FINGERS LIVE』の中でミックが「次はサタニックを全曲演るよ。」なんて冗談で言っていましたがホントに演ったら面白いですね。2年前の記事はこちら↓です。