ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ UK盤 STONE AGE いろいろ!!

ローリング・ストーンズは1970年にデッカを離れてストーンズ・レーベルを発足させますが、残されたデッカは勝手に独自の編集盤を乱発し始めます。その第一弾が1971年4月23日に発売された『STONE AGE』です。規格番号はSKL 5084です。初期盤は表側だけコーティングされています。内容は当時のイギリスでは発売されていなかった「Look What You've Done」や「My Girl」、EP『5X5』に収録されていたアルバム未収録の曲などで構成されています。ジャケットは石の壁に落書きをしたもので、タイトル、グループ名やメンバーの名前が書かれています。これってデッカが拒否した『ベガバン』のトイレの落書きみたいな感じですね。

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右上にDECCAのロゴがあります。

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裏ジャケは初期型と後期型の2種類あります。こちらは初期型の裏ジャケです。

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こちらは後期型の裏ジャケです。

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右上の部分です。上が初期型でSTEREOの文字と『LET IT BLEED』などと同じく矢印でステレオ効果の説明があります。下は後期型でSTEREOのクレジットがなくなり、規格番号の下にカセットの番号が書かれています。

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曲目の部分です。こちらは初期型のジャケットの方です。

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こちらは後期型の曲目の部分です。曲名の前には著作権の分類のマークが、曲名、作者の後にはモノラルと疑似ステの曲には印が付けられています。「Blue Turns To Grey」は何もマークが無くステレオに分類されていますが、疑似ステです。

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下部にDECCAのロゴと印刷所のクレジットがあります。印刷所は初期型も後期型も全部Robert Staceです。メンバーの名前の下のクレジットが初期型では©1971 The Decca Record Company Limited, Londonですが、後期型では上の曲目のところにあった各曲の発売年の印に変わっています。両方ともその下にジャケットをデザインしたDecca Record Publicitv Art Departmentのクレジットがあります。デッカのロゴの下には印刷所のクレジットがありますが、後期型では一番下のコーティングの会社のクレジットが消えています。

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また、後期型ではデッカのロゴの右側に新たな文が追加されています。モノラルや疑似ステの曲は曲名の後にこのマークがあるという説明と、このレコードはモノラル用のカートリッジでもステレオのカートリッジでも再生できます。といった内容です。

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初期の一部の盤ではデッカのカタログの小冊子が付いています。『LET IT BLEED』ではケーキの表紙でしたが、こちらは表紙が『STONE AGE』のものに変えられています。内容も『LET IT BLEED』の冊子とはレコードの順番が違っています。

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小冊子の裏側です。

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ラベルです。デッカのボックスト・デッカのラベルです。マトリクスは機械打ちでZAL-10432.P-1D/ZAL-10433.P-2Dです。

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規格番号の上のマトリクスが括弧で囲われています。左側のN.C.B.の横にあったBritico, GEMAのクレジットが下へ移動しています。上では一行だった下部の著作権表記が2行になり、それぞれの年の前に℗が付けられています。マトリクスはZAL-10432.P-1D/ZAL-10433.P-2Dです。

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デッカのロゴの下のffssの太いラインが無い珍しいラベルです。おそらく後期プレスへ行く前の過渡期のラベルだと思います。表示はMONO/STEREOとなっており、モノラルの曲の後には+印が付けられています。N.B.C.の周りのクレジットが小さくなり、規格番号の上のマトリクスは//で囲われています。インナーはImportant Noticeの上の角が斜めに切り取られていない70年代後半のものなので、プレス時期は75年以降だと思います。マトリクスは機械打ちでZAL-10432.P-1D/ZAL-10433.P-2Dです。

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おそらく最終プレスだと思います。著作権表記が下から右側の規格番号の上に移動しています。規格番号の上のマトリクスがZAL 10432からEAL 10432Pへ変更となっています。インナーは80年代のImportant Noticeの上部左右の角が斜めに切り取られたものです。マトリクスはEAL 10432/EAL 10433P 36 ▽EDです。A面は手書きで、B面は機械打ちです。

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70年代前半にスカンジナビア方面へ輸出された白ラベルです。このレコードだけはスカンジナビア以外にフランスへも輸出されたそうです。マトリクスは機械打ちでZAL-10432.P-1D/ZAL-10433.P-2Dです。

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このアルバムはテスト・プレスの時には『PRECIOUS STONES』というタイトルが付けられていたそうです。ストーンズ側はこのレコードのリリースを知らせれておらず、内容等認めていないと雑誌に広告を出したりしています。このアルバムの発売日を見ると、ナント『STICKY FINGERS』と同じ日なんですね!まるでデッカはわざとストーンズ・レーベルのアルバムの発売を邪魔したみたいですね。内容は当時のイギリスで発売されていなかった曲を中心に集めたアルバムですが、ステレオは「Look What You've Done」「My Girl」「Paint It Black」の3曲で、残りは疑似ステ、あるいはモノラルです。こうやって見てみると当時はアメリカでは発売されていたのにイギリスでは未発売だった曲が結構あるものなんですね。デッカはこの後も独自の編集盤を出し続けますが結構個性的で面白いものがあります。